400人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
もう一度そう告げて凪さんの顔を見上げると、さっきのやさしい笑みは消えていて。
なぜか凪さんは困った顔をして「ごめん」と呟いた。
その瞬間、ずきんっと胸が痛む。
あたしにとって、身体を重ねるってことは好きな人と想いを伝え合うということで。
だから凪さんもそうなんだと勝手にそう思っていた。
けれど、ふと思い出す。
『男はそういう生き物』
『男と女は違う』
浮気を繰り返していたときの仁の言葉。
ということは、凪さんも好きでもない子とでもこういう関係になれるんだ。
そう思うと、さっきずきんっと痛んだ胸が今度はずきずきと持続的に痛み始める。
最初のコメントを投稿しよう!