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「キスしてくれたら起きる」
「はい!?」
「濃厚なヤツね」
「はっ?」
「じゃないと起きない」
見下ろせば、琥珀の瞳は閉じたまま、彼の唇だけが弧を描いてる。
「……ヒロ君、子供みたい」
「子供は濃厚なキスをせがんだりしない」
「……」
その通りだけど。
言いたいのはそんなことじゃなくて。
「……一回だけだからね」
赤い顔でそう言って、そっとキス。
でも、琥珀の瞳は開かない。
「濃厚なのって言ったろ?」
「起きてるくせに」
「なら寝る」
「――もうっ!」
真っ赤な頬を膨らませながらも、もう一度キス。
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