5361人が本棚に入れています
本棚に追加
/553ページ
「うーんっ」
だるい体で命一杯伸びをして、
「――ったぁ」
鈍い痛みを訴える腰に手を当てる。
「……ヒロ君の馬鹿」
小さくそう呟いて顔を洗ってブラッシング。
時計を見なくても分かるけど、
「うぅ、もうこんな時間だぁ」
時刻はもう朝とお昼の中間。
今日は朝から計画を練っていたというのに。
「仕方ないからブランチにしよ」
朝ごはんは人気のお店のベーグルサンドと決めていたけれど、
お昼は軽く、昨日煮込んだスープに焼きたてのフランスパンと決めていたけれど、
「フランスパン、冷凍でよかった」
ベーグルを袋から取り出して、ナイフで二つに切っていく。
後は冷蔵庫からアンチョビにクリームチーズ、スモークサーモンに……
と、食材を綺麗にお皿に並べて、
スープも取り出してコトコト温める。
「美味しそう、だよね?」
そう呟いて、自分の部屋に。
ベッドの傍に座って、彼の髪をそっと撫でる。
「ヒロ君、起きて」
指の間を抜ける髪は冷たくスルリと抜けていく。
「ヒロ君――っ、ひゃあ!」
いきなり腕が伸びてきて、ヒナの体はヒロキの上に倒れこんで――
最初のコメントを投稿しよう!