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『虐殺器官』 伊藤計劃
『虐殺器官』伊藤計劃(いとうけいかく)
2010年 初版発行
(今回読んだのは2014年に刊行した新版)
今回は伊藤計劃さんの『虐殺器官』の紹介です。
伊藤計劃さんは2007年に、『虐殺器官』で作家デビューしてからわずか2年ほどで亡くなられましたが(34歳という若さ)、その処女作はゼロ年代日本SFのベストに挙げられています。詳しくはWikipediaで。
僕は以前から伊藤計劃さんは気になっていて、SF作家からも、それ以外のジャンルの作家さんからも評価が高いということも知っていました。
(次ページに2010年版の裏帯の写真を載せましたが、そこには伊坂幸太郎さんや、宮部みゆきさんのコメントがあります。)
『虐殺器官』は世界的レベルのSF作品と評価された作品です。
ちなみに今回はメルカリで300円で購入しました。ほぼ新品。対応も良くハッピーな買い物でした。
内容は国際軍事謀略サスペンス。近未来SFですが、テロ、新自由主義経済、グローバリズム、民間軍事会社、環境破壊、貧困など、現在、いまここにある問題が恐ろしく冷徹に分析されています。
平和だと思っている日本の足元には屍(しかばね)があり、そこに私たちが立っているのかもしれません。そして、自分に都合の悪いことには目を背ける人間。そもそも見えていない。
それをリアルに知った時、人間はどんな選択をするのでしょう?そう考えさせられる作品です。
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