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美咲はこちらを向くでもなく声をかけてきた。
「ねえ、お兄ちゃん」
「・・・え?俺?
変なとこ向いてるから一瞬わからなかったんだけど」
「この角度が大事なの。それよりどう?」
「どうってなにが?」
「着物姿の美少女が、本を開いて栞を片手に物憂げに虚空に視線をめぐらす・・・美しいでしょ?」
「夏真っ盛りなのにそんな着物を引っ張りだしてきたのは凄いと思う。
ここ洋室なのに和室の冬景色の変な壁紙貼ってるし」
「うん、あたし美しいから」
「答えになってないけど、その手元の本、頁白紙だけどどうしたの?」
「これ全頁白紙よ」
「なにその本怖い」
「もう!!お兄ちゃん!!他には?何か感想ないの?
じゃあ、ヒントあげるね。
美咲はうつくし・・・この次にくる一文字であ行の二文字目の文字よ?」
「それ答えですよね?」
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