第1章

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また、あのモンスターがやってきた 年が増えるとやってくる、来るなと言ってもやってくる 外の世界は雪の降り積もる音で奴を完封してる 一方、人の世界はまるで無防備。むしろ歓迎ムード そう、私にこんな服を着させて奴の生贄にするつもりだ 電子の光に触れるほどに人類は繁栄したのに いまだ、こんな儀式をする意味は何なのか なにより、人が生贄にされるというのに 呑気してる相棒が私を腹立たせる 流石は相棒、何も喋らず何もせず 人をキレさせるとは よろしい、ならば… 「人の後ろでレベルアップしてるとこ悪いけど、冒険の書、消したわよ」 「よしいいだろう、表に出ろ」 …こうして私は外の世界の白き力を借りて この忌々しい服の破壊に成功した これでモンスターは私を諦めるに違いない ただ、この時の私は、私の怒りと相棒の怒りが 新たなモンスターの怒りを買うことになるとは 知る由もなかった。
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