プロローグ

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「最近の幽亮はどう? 相変わらず寝てばかりいるのかしら」 そう言いながら奥から咲京さんがお茶のおかわりと焼き上がったクッキーを持って僕の真向かいへと座る 「はい…最近、更に寒くなってからはますます暖かい事務所からは出たくないみたいで あれやこれやと僕に何でも用事を押し付けてますよ」 そう、初雪が降り本格的に冬に入ってからすぐに幽亮さんは何処からか こたつを引っ張り出してきて事務所の真ん中に居座っていた 更に最近はほとんどそこから動こうとせず 全て僕に任せっきりで 今日のこの用事も事務所に行ってすぐにこたつの中にいた幽亮さんから仰せつかったのだ。 「フフ、昔から幽亮は寒いのが苦手だったから 君が居てくれてとても助かっているんじゃないかしら」 「まぁ、それはそれで僕にとっては臨時収入に繋がるから良いんですけどね」 一応は幽亮さんに頼まれた事をこなせば報酬として僕のバイト代に加算はされている 額は相当安いけど…
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