236人が本棚に入れています
本棚に追加
/215ページ
私の心を見透かしたように雅臣が言う
「うん」
「子供たちが巣立っていったらさ…………」
言葉を濁す雅臣
「雅臣?」
不思議に思いのぞき込む私を見つめる
彼の瞳には優しい光が宿っている
「俺はずっと綾乃を見守っていくから」
「……………」
うなづく私の目からあふれ出す涙
「ほら」
雅臣はポケットからハンカチを出すと
そっと私の頬を拭った
最初のコメントを投稿しよう!