第3章

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「・・・はぁッ。」 ・・・ガバッ! 「・・・はぁ・・・はぁ・・・」 ・・・また、夢か。 オレは涙で濡れた頬を手で拭うと、ガシャガシャと自分の頭を掻きむしった。 この5年間というもの、オレはこんな朝を何度となく迎えて来た。 夢の中の冴子は、いつも優しくオレの頭を撫でてくれて・・・ でも、オレにはその手に触れる事すら許してくれない。 彼女は優しい笑みを湛えているのに、手を伸ばせばスルリとすり抜けてしまい・・・ オレが名前を呼べば呼ぶほど、遠くへ行ってしまうんだ。 『圭人さん・・・愛してるわ。』 慈愛に満ちた表情で、優しくオレに言葉を投げかけながら・・・
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