二十四章 アルフォンソ

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つーか今、何で声かけられたんだ? 別に道を塞いでる訳じゃねえし、本棚の前に立ってて本を取るのを邪魔してる訳でもねぇ。 いや、まぁ向こうから声をかけてきてくれんのはこっちとしちゃあありがてぇけど。 俺は──……とりあえず「はい?」となるべく大人しく見える様にセルジオの次男坊(まぁそう言っちまってまず間違いねぇだろう)に返す。 『なるべく大人しく見える様に』ってのにはもちろん理由がある。 こーゆー神経質そうなのにゃあいつもの『かわいい』リアはあんま通用しねぇ様な気がしたからだ。 相手がラビーンやクアンみてぇな奴らだったらいいんだけどよ、何ていうか、ヘイデン相手にかわいこぶっても何の意味もねぇのと感覚としては同じだ。 まぁ、ただの俺の感覚っつーか勘だが。 そう思っての俺の返事に、次男坊が少し戸惑った様に、口を閉ざす。 まるで、思わず声をかけちまったが後が続かなくて困っちまったみてぇな、そんな感じだ。 おいおい、これってまさか。 ナンパしよーとしてるってんじゃねぇだろうなぁ? 俺のあまりのかわいさに思わず声をかけちまったがこの後どうしていいか分からねぇみたいな?
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