1.天空兄妹の秘密

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 ギュッと握った。  柔らかい。 「よし!」  いきおいよくベッドから飛び出ようとしたが、低血圧気味のため体が重い。  でも気力でなんとか起きる。  しばらくすれば体は動くようになる。  のろのろとポールハンガーに掛けられた高校の制服を取り、ネグリジェから着替えた。  細いリボンを適当に結ぶ。  着替え終わると部屋を出て、台所に向かった。  炊飯ジャーからは丁度炊き上がりを知らせる音がピーピーと鳴っている。  遥は蓋を開けるとしゃもじで炊きたてご飯を混ぜ返す。  中華鍋をガスコンロに置き、火をつけて煙が出るまで温めた。  油を入れるとさらに煙が上がる。  冷蔵庫から玉子を二つとりだし、中華鍋の淵でカラを割ると、熱した油に投入。 ”ジュワー”  玉子が油のなかで膨らんだ。  炊飯器からご飯をしゃもじですくい出し、中華鍋に入れて手早くお玉で玉子と混ぜる。  刻んだハム、長ネギを投入。  塩コショウ、醤油で味を調えると、二つのお弁当箱に入れた。  大き目のお弁当箱は多めに。  小さ目のお弁当箱は少なめに。
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