第五章

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人間の魔力の元へ向かって歩く だいぶ近くまで来た。 「それじゃあ エインお願いね?」 小さな声で耳打ちする 「ああ…」 肩を並べて歩く。 ようやく彼らの視界に入ったようだ 「そこにいるのは誰だ!」 向かって来るのは頭の悪そうな男が3人。 歳は2つ3つ上だろうか? おそらく学園の先輩にあたる人達だろう 「あの…二人で湖を見に来たんですが、道に迷ってしまって…」 泣きそうな顔で言葉を発した男を見つめる。 「そうなのか。 ここは俺達が狩りをしている場所でな 早く出ると良い」 「…え? 魔物が出るんですか?」 驚いた顔をして問う 「ああ。こう見えても俺達はアリシア学園の3ーAでな ここらの魔物を狩って、その素材を売っているんだ」 (随分と口が軽いね……) 「凄いですね! ギルドの任務とかなんですか?」 「いや任務ではない。 ギルドでは最下級魔物の任務はないからな。 狩る人がいない分やつらを見つけて狩りその素材を削ぐ。 それを競りにかけたら高額で売れるんだぜ?」 ニヤニヤしながら言う男 (……へぇ。そういうこと) 「そうだ。嬢ちゃん そんな弱そうな奴 放っておいて俺達の方来いよ? 好きなもん食わせてやるぜ?」 エインがピクッっと反応する だが、それ以上彼が動くことはなかった。 どうやら我慢してくれているようだ 「ふふ… お兄さん達ギルドランクいくつなんですか?」 笑って誤魔化し問いかける 「今は全員Dランクだ 学生にしてはなかなかだろう? どうだ、来る気になったか?」 (馬鹿な人達で良かった) 「そうなんですか やっぱり凄いですね!」 「そうだろ?この間なんてな……」 未だ話し続けている男たち。 (全然自慢にならない話ばかり… 聞いてて呆れるわ。情報も揃ったし、もういいかな)
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