第1章

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雪がちらほらと舞い始め僕は焦った。 ―やばい・・・ バイトの時間が伸びて待ち合わせの時間に30分も遅れてしまった。 ―つぅか、舞のやつなんだってこんなとこで待ち合わせなんだ? 地元でも有名なデートスポットに幼馴染の舞に呼び出され向かっていた。 小さな公園に到着すると、舞の後姿。 「わり・・・待たせた・・・」 息を整えながら走り寄ると、顔を真っ赤にした舞が振り返った。 「遅い」 「悪い。てか仕方ねーだろう。 つか。用あんなら家で言えば良いだろうが」 悪態をついてから舞の手に握られてる箱が目に入る。 ハートの形をしたソレは紛れもなくチョコレートだよな? ―なんだよ。今までそんな素振り一度も見せたことないくせに。 「何だよ。用って」 「あの・・あのさ!」 ―やべー・・今まで舞をそんな対象に見た事なかったのに。 「これ!お兄ちゃんに渡して!」 家帰って渡せや!
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