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この村は、全てこの村で生まれ、育った者たちだけが住んでいる。
つまり外部から足を踏み入れ、この村に居を構えている者は一人もいないのだ。
もしよそ者が村に近づけば、追い払われるか、最悪命を奪われることもあるほど閉鎖的な村だった。
僕はそんな危険極まりない村から三里ほど離れた村に住む平凡な農民、ザビ。
幼少の頃から悪いことをするとあの村に連れていかれるよ、とよく親や祖父母に脅されたものだ。
だから僕は今でもあの村が恐ろしいし、近づこうとすら思わない。
あんなことにさえ、ならなければ……。
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