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「みんなぁ…」
まさかこんな風に言ってもらえる日が来るなんて思っても見なかった。
私は嬉しさが込み上げ目が潤む。
『みんな、ありがとう。高橋先生もありがとうございます。』
榎本先生はそう言うと私を抱き上げ満面の笑みで私を見た。
『良かったな…莉緒は幸せ者だ。皆が祝福してくれている。もうこそこそする必要はない、堂々と手を繋いで歩こう。』
「うん…あたしこのクラスで良かったよ。」
榎本先生は私をストンと降ろすと頭をポンッと撫でた。
そういえば…。
お父さんとお母さんは何て言うだろうか…
まだ先生との付き合いの中で残る問題に少しグッと拳を握り構え込んでしまった。
『莉緒?』
「あ…うん…お父さんとお母さんの事なんだけど…」
あれだけ激しく別れを促していたお父さんは再び付き合い始める私たちをどう思うだろうか。
胸が苦しくなるけれどみんなの手前、辛い苦しいなど言えない。
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