第1章 ★ 「復讐」とは「正義の実現」 !

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★ 第1話 「復讐」とは「正義の実現」、はたまた「人間残虐性の表れ」 !  物質からできている存在は、透明にはなれない。 勿論、ミクロ単位の存在であれば、人間の視覚には キャッチされない。 そこで、人間社会では、目に見えるものは、「原因ー結果」の 因果関係の証明に使われる。 このような合理性にもかかわらず、ある人々は 「何とか、この物質性」を超越できれば、 個人的願望を実現できるのに、と渇望する人々が 存在する。 「男」は考えた。「自分も」その具体的存在の1人である、と。 人間社会では、非人間的な出来事が頻発している。 何故、このような出来事が発生するのかは 「神の無力」のなせる業なのか、それとも、 所詮、「神」などと言うものは、人間が 考え出した「自己都合主義」の所産でしかないのかも 知れない。 そんなことは、どうでも良い。 「男」は、人非人の存在が許せないと苛立つ人間の1人であった。 被害が自らに及ぶことは、何とか我慢する。 しかし、その「狂気」が、わが子、妻、身内の人間、善良な市民、 弱者に及んでいる現実を見るとき、 昔は可能であった 「私刑」(リンチ)の復活を夢見る。 だが、それは、民主主義の確立の中、 個人的価値観で行動することは許されない。 そんな悶々とした欲求不満を解消してくれるのが 「透明人間」の可能性である。 4歳の女児を「レープ」し、「心神喪失・心神耗弱」で、人間社会の 「偽善」の具現化の「法律」で、「死刑」どころか、 身柄の拘束からさえ逃れられる「制度」の矛盾に 不満を持つ人々を代表し、私が 「透明人間」になり、 その「鬼畜」を成敗しようと考える。 その「鬼畜」には見えない「透明人間・私」が、 スナックをポリポリ食べながら、ゲームに興じている その「鬼畜」の耳元で囁く。 「どうだい、ゲーム、面白いかい?」 その「鬼畜」は、ふとゲームから目を逸らせ、 周を見回す。 勿論、何も見えない。何故なら、そこには「透明人間」が いるだけだからである。 「鬼畜」は、また、ゲームに興じる。 「お前、そのゲームの女のをどうしようって思ってんの?」 「鬼畜」は、思わず、「いや、近所の公園で遊んでいる 女の子を想像して、ゲームしてんだよ・・」と、 思わず答えて、ふと、周りを見回す。 (続)
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