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自分の方を向いた祥子に、
「さっきの電話…やっぱり祥子さんの思っていた通りの連絡だったんだね。」
少し言いずらそうにしながら晴海が言った。
その晴海の言葉に箱の中身のチェックをしていた高宮も顔を上げて祥子の方を見た。
そんな2人の視線を受けながら、
「・・・えぇ。朝子さんが亡くなって、今日通夜があるっていう知らせの電話だったわ。」
晴海の言葉に祥子は悲しそうな笑みを浮かべて頷いた。
そんな祥子に、
「そっか。大丈夫?通夜の会場まで送ろうか?」
晴海が心配そうにそう言った。
それに、
「大丈夫よ。大々的な通夜じゃなくてごく一部の親しい人達だけでって話だったから行く人皆でまとまっていくことにしたの。」
首を横に振りながら祥子は晴海の申し出を断った。
そして、
「それに晴海をここから連れ出したら高宮1人になるじゃない。私の事はいいから、言った事をしててちょうだい。そうだ、メモを取りながら本を整理してくれてたらもっと助かるわ。よろしく。」
祥子はついでという様にそう言った後、
「じゃあ、後は頼んだわよ。私も帰ってきたら手伝うから。」
そう言って祥子は店の奥へと入って行った。
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