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「なんだよまどろっこしいな! てめ、誰に向かって悪い妖怪だとか言っ……!」
怒鳴られてビクッと怯え震えるリーファに、男はすぐまた顔を背けボソリとつぶやいた。
「あー……マジかよ、この女ホントに……。……悪かったよ、質問するならしてくれ。なんでも答える」
どこか観念したかのように、打って変わっておとなしくなった男にリーファが恐る恐る問いかける。
「じゃあ……あなたはどうして私を待ってらしたんですか?」
「天帝がこれからここを通りかかる娘の旅の供をすれば、封印した力を返して神仙に戻してやるって言ったんだよ。これからったって、11年後だったけどな!」
「あ、あたしが天帝様にご神託をもらったのもその頃だわ。ふむふむ。では次、あたしの旅の目的は?」
「西の森に行って瑞獣(ずいじゅう)……、4体の神獣を探すんだろ」
「はい。なんでもその神獣さん達は、すごく重要な力を持ってるんですって。じゃあ次。いくら元神仙様だからって、こんな山に下敷きにされて身体は大丈夫なものなんですか?」
「普通の妖怪や神仙ならダメだろうな。でも俺は特別だ、そんなヤワじゃない」
「そう言えば、天帝様が言ってました。護衛には腕利きを集めるけど、中にはメンドクサイのもいるって。それはあなたの事ですよね?」
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