第1章

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あの日。 ぐ・・・ 全身が痛い。 あっちゃこっちゃ擦りむいて血だらけだ。 くそぅ。 心の中で毒づきながら流木を手にする。 こんなもんでパオーンパオーン隠せないだろうけど、さすがにぶらんぶらんパオーンパオーンさせながら歩くわけにもいかない。 流木を股に挟みつつ、姿勢を低くし街に向かって歩き出す。 いた、いた、いたた。 河原の砂利が裸足に食い込む。 くっそぉぉ、なんかねえのかぁぁぁ! てゆーかなんで俺がこんな目にぃぃぃ! 思わず手に持った流木を振り上げ、前方に落ちている白い布切れに気づく。 天の助けっ! 神様ありがとうっ!! だっだっだっだ。 つい。 ・・・靴下かよぉぉぉ! これじゃ大きすぎてパオーンパオーンにパオーンパオーンさせられねえよぉぉ! ・・・はぁ。 とりあえず履くか。
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