危ない彼は私の片想いの人

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身も心も安らぐヒーリング音楽が心地よい音量で流れ 個室を纏う明かりは、アンティークのミニランタンから洩れる優しい橙色で照らされて 視覚から心が落ち着いてもらえるように、焦げ茶色の寝具一式で整えられたベッドに本日最後のお客様を案内する。 「フットバスとアロマオイルの用意をして参りますね。 それからこちらのベッドで仰向けになってお休み頂くので、ハーフパンツにお着替えになってお待ちくださいませ」 「はーい」 今日の最後のお客様は残業帰りのOLさん。可哀想に。 朝から晩までこんなヒールの高い靴で一日過ごしていたら、あのか細い足は浮腫むに決まっている。 しかも服装はいかにも肩が凝りそうなグレーのストライプのパンツスーツ。 資料がたっぷり入った紙袋を見る限り、保険か医療関係の営業か何かかな? それらをチェックしてコリをほぐす部位を考えるのも私達の仕事だ。
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