エピローグ

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朝から叔母さんがソワソワしている。琴ちゃんが彼と二人で帰って来るのがよっぽど嬉しいみたいだ。 「拓海君って、お父さんに似てすごくかっこいいのよ。 実はね、拓海君は叔母さんの元カレの息子なの。 叔母さんと元カレね、結婚するつもりだったの。 でも別れちゃった。 『藤代』が無かったら結婚していたかもしれないわね。 だからね、琴葉と拓海君が結婚してくれたら嬉しいの」 叔母さんは、昔話を聞かせてくれる。 「健君はもう息子だから、お母さんの秘密っていうことで聞いてね。 誠也(せいや)さんの事は大好きだし、結婚して良かったって思ってる。 だけど、『藤代』が無かったらもっと別の人生があったかも……って思うの」 叔母さんは、お皿を並べながらため息をついた。
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