Act.1

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「じゃあ明日の午後2時に面接してくれるそうなので」 「ありがとうございます!」 磯部さんとの電話を切って、私はクローゼットからリクルートスーツを取り出した。 もう何度このスーツを着て面接に行っただろう。 まるで根無し草のような生き方をしている自分に失笑しながらクリーニングタグを外した。 心のどこかでこんな生活に嫌気を感じていても、今の私にはここから抜け出す道筋が見つからない。 もうじき彼との約束の10年がやって来るというのに。 胸を張って彼に会いに行く勇気もない。
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