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◇
判「はぁ~い♪」
空「ぅゎっ!!、」やべー、
判「ちょっとちょっと、一回振り向いたのに帰るってどうよ!!」
空「用事を思い出したので…」 何っだあれ…、
判「見なかった事にするなよ」
空「…」
あんなの見たら見なかった事にするだろ普通。
店のドアを開けたっぽいソイツの長い足は
推定築20年の木造の緑の引き戸に“とぅっ”て声が聞こえそうな開き方で足を乗っけられ、状態を反らして カッコよく?腕を組んでいる。
その細身の豹柄のパンツをどこで購入したのかなんてのはまだ軽い謎で
そのパンツのトップスに紫のパーカー合わてくる斬新さも『派手好きなんだな』の範疇で理解出来た。
一番分かんねぇのは“眼鏡”だ。
なんっっっつー眼鏡かけちゃってんだよ。
顔からはみ出すデカさと、
眼鏡を囲むように無数の電球ついてんのが1番の謎だった。
それさ、
いつ光らすわけ?
何かのコンサートで使うとか、、、?
おまけに何で今かけちゃってるわけ?
空「怪しい人とは関わらないようにしなさいってのが、ばぁちゃんの遺言なんで…」
じゃ、と背中を向けたまま手を上げたら
ぐいと上げた手を捕まれた。
判「あなたのお悩み、解決しましょう!!」
空「別に悩みとか無いんで」
判「ここで出逢ったのも何かのご縁」
空「ぃ…やー、通りがかっただけですのでお構い無く」
判「君は僕に聞きたいことが有・る・は・ずだ!!」
空「ぃ…やー、無い!!」 全力で。一ミリも。
判「絶対に有・る・は・ず・だ!!」
空「離してもらっていいっスか、」
判「ためしに何か質問してみ?」
うるさい上にシツコイって犯罪だ。
ハァ、
空「じゃ、聞くけど、その眼鏡、ワイヤレス?」
判「いや、コード&コンセント式」ぅはははっ(笑)
「時代を先取りしたっていうの?、これからはさー、スマホも眼鏡の形のが出るっていうじゃん?、だからー、この眼鏡も絶対これから来ると思うんだよ。まだこれ未完成だからとりあえずコンセントなんだよね。でもさーこの眼鏡の機能は抜群にスゲー訳。この眼鏡をかけると…
って
おーーーーーーーーーーーーい!!」
空「良かったねー、それじゃ、サヨナラ」
遠くでよくわかんない事を口走ってる怪しい店員の声が聞こえてきたけど全力で無視して立ち去ろう。
あんなの俺の人生に最も必要ない。
ほんの1欠片も必要ない。
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