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何度も唇を重ね合っている私たちの耳にパタパタと軽快な足音が聞こえてきて、ドアが開く音に慌てて唇は離したけれど、真一さんの腕はしっかりと私の身体を抱き締めたまま。
「あー!パパとママまたいちゃいちゃしてる!
かえも、かえも!!」
ドアを開けるなりそんな声を上げて、楓はダイニングチェアによじ登って私と真一さんに飛びついてくる。
「パパ、めがねじゃまー!!」
楓が真一さんの眼鏡を容赦なく鷲掴みにするのを見て思う。
……絶対、一年持たない。
せっかくの誕生日プレゼントだったのに。
ちょっと悲しい気持ちで真一さんがテーブルに置いた眼鏡を目で追っていると、楓の小さな手でグイッと顔の向きをかえられた。
「ほっぺっぺー」
笑いながら半ば無理やりに私と真一さんに頬を摺り寄せる楓と私を、真一さんの腕がしっかりと抱きしめた。
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HOME SWEET HOME end
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