第1章 相棒

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第1章 相棒

‥ったく‥ツイてねぇ‥。 風俗・酒場・闇カジノに出向き『みかじめ料』を徴収するのは、俺達歩兵の仕事。 ハンパネェ体力使って睨み利かせてみせては煙たがられ、それでも日々店舗の入れ替わる夜の盛り場をコツコツと一晩中巡回し続けるっつー、なんとも冴えねえ役目である。 ナニがツイてないって、 そうやって下っぱの俺達がセッセと汗水垂らして集金してきた大事な凌ぎを、 会計方のクソッタレ共はソックリ丸ごと持ち逃げしやがった! 状況説明の為、俺<真生>と相方≪拓≫の2人は組事務所に呼び出された。 状況もナニも、俺達ぁ集めた金をいつもどおりいつものキャバクラで兄貴に手渡しただけのこと。 伯父貴の怒りの矛先は手近な俺等ふたりに向けられ…。 ・・・・・・・・・・。 “理不尽” そんな言葉自体、意味の無いのがこの業界。 ≪イテテ‥‥クソッ!‥あ~ぁ‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥マジやってらんねェ…≫ 事務所を放り出された俺達は、近くの公園で口を濯ぎ、生傷だらけの身体をベンチに投げ出した。 <腹減ったなぁ…ッツ‥‥ ‥‥‥なぁ‥メシ‥どーする‥‥?> ≪‥ンぁ? 彩花ンとこでクッソ不味い賄いでも恵んで貰えば…イテテ‥‥‥俺イラネ‥≫ <アパート‥戻ンの?> ≪‥‥行くとこねェし…≫ <‥‥だな‥> 俺は拓を公園に残し、拓の元カノ《彩花》が切り盛りするバーへと向かった。
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