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はぁ?
オレはキツネにつつまれたような気持ちだ。
「でもね、友達ともう一度会いたくて、神様にお願いして透明人間として学校に来たの。そしたらキミがあとをつけていることに気付いて」
あ、気付いてたんだ。
てか、透明人間同士ってお互いのこと、見えるんだ。
へえええ~って、感心している場合じゃない。
オレは、もうすぐ灰になる。
その前に彼女に気持ちを伝えなくちゃ。
「あの、オレはずっと君のことが好……」
「ねえ、一緒に天国行かない?」
アカネちゃんはオレの先を歩き出し、振り向いてそういった。
またもや告白の途中で……でも悪くない展開だ。
そうだよな、彼女も一緒に灰になる。
「ああ、いいよ」
彼女は光の中へと走り出し、オレに向かって叫んだ。
「早く!」
オレは彼女を追いかけて、光の中へ。
告白は天国で。
透明人間、オレたちの恋が始まる……。
【完】
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