過去 藍墨色の夜(花音目線)

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薫には信頼できる友人はいるし、部下もいる。 でも、恋人は……、多分いない。 薫のテリトリーにはそう簡単に嫁候補は入れないのだ。 恋人=嫁候補になるから。 まず、おじいちゃんが黙ってないし、親族もワシャワシャ出てくる。 薫は恋人はいなくても良いと、昔、両親に言っていた事がある。 でも、やっぱり寂しくないのかな? 信頼している友人も部下も家族を持っている。 私も、友人関係は残念だけど、愛情いっぱい注いでくれる両親がいる。 薫は、薫は………。 私は考えてないのに、時たま突拍子も無い事を言っちゃったり、しちゃったりする。 ずっと、薫をガン見してたんだろう。 薫が「ん?」と小首を傾けた。 「……、ねっ薫。 ベロチュウしよっか。」 ………。 アホだ私。
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