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「ねぇ、遠くに行っちゃうってほんと?」
少年は、隣の家の少年に聞いた。
「あぁ、とっても遠くに。」
少年は、とても穏やかな顔をして言った。
「いやだ!行かないで!いつまで行くの?すぐ帰ってくるよね?」
泣きそうになって言った。
「そうだな……千年くらいしたら?」
泣き顔を見せたくなくて、少年に抱きついた。
「こんなときに、からかうなよ、で本当は?」
「七五三引は消えるけど、不幸になったら会えるかも。」
意味がわからない。
半年も年の差はないのにこんなにもわからない。
「……」
少年は耳元で笑って囁いた。
「わかんなくていいよ。けど……
お願い。死にたくなるくらいに不幸になって。」
千年。
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