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「じゃ、行ってきます。」
朝食で使った食器を洗う私に、夫の千尋が笑顔で言った。
「いってらっしゃい。」
食器から彼へ視線を移して私も笑顔になる。
東の窓から降り注ぐ朝日がサンキャッチャーにあたり、白い壁に無数の水玉模様を作っていた。
平凡だけれど、こんなにも穏やかで満ち足りた朝を享受できる私は幸せ者だ。
片づけを終えた私は、15分ほど自転車をこいで出勤する。
職場は千尋にもたせてもらった小さなカフェだ。
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