念願の日

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人気のない校舎。一つの教室で、一匹の白い犬に笑いかける少女がいた。 「ありがとう。私、還るね」 と、彼女はそう話し始めた。 「念願が叶ったんだもの。ありがとう。もう何も、悔いはないわ」 「キュウン…」 「お別れね。身体を貸してくれてありがとう。…もう逝かなくちゃ」 「ワフッ!」 「本当にありがとう──」 もう一度だけ、そう言って締め括った。
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