誘惑

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「それは真菜がまともにオレと話そうとしないからだ。 飯の時だって視線すら合わせようとしなかっただろ?」 「話す事は何も無いって、言ったよ?」 「真菜に無くてもオレにはある」 澱みないはっきりとした口調で彼は言った。 「手短にして」 目を逸らした私に、彼は大きく溜息をつく。 「まだ時間あるだろ? 取り敢えず座ろう」 目の前のパイプ椅子を折りたたみテーブルの下から引き寄せると、彼は腰を下ろした。
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