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『―――それでね、今日はSMSでご飯食べて、さっきボビーさんに送ってもらったんだ』
ボイスメールから聞こえてくる息子の声に、自然と頬が緩む。
『ほら、ひなたも何か言いなよ』
『……あさひが先生に怒られた』
『あーっ!内緒って言っただろ?』
淡々と話す双子の姉の報告に慌ててふためく弟の姿が目に浮かんで、笑いが込み上げる。
消去する、もしくは不都合な内容のメールを送らないという判断がつかないのはまだ子供だからなのか、それとも素直に育ってくれた証拠なのか、はたまた送信者の陰謀か。
『あさひがお友だちとケンカしたの。私のお友だちが男の子に泣かされて、あさひがそれ止めてくれたんだけど…』
懸命に何とか状況を説明しようとするも、うまくまとまらないようだ。
息子が女の子をいじめてる男の子を止めようとしてケンカになったと想像すると、ケンカは良くないが責められないなと考えて、帰ってからその辺の話もしなくてはと思う。
『ひなた、その話は良いよ』
『あさひは悪くないから、お土産買ってきてね』
『前に言ってた、限定カラーのバルキリー!』
興奮したようなあさひの声に、視線を部屋の隅に置かれた箱へと向けた。
言われるまでもなく、ちゃんと用意してある。
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