第1章

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潤は卒業式の後、教室に戻ってきた。つらいこともたくさんあった高校時代だけど振り返れば懐かしくて切なくなる。もうこの教室に来て級友たちと机を並べることもないのだ。 潤「ふふ」 ドライな潤も感傷的になる。ちょっと泣きたい気分。潤はタンと足を鳴らし教壇に上り寄せ書きいっぱいの黒板の前に立った。 級友「うぉぉっ! 潤! まさかまた潤の女装姿が見られるとは!」 潤は級友の声にハッとした。潤は文化祭のミスコンで女装させられて散々なめにあったのだ。だけどその嫌な思い出からも今は自由になりたかった。それでこんな格好して。 潤「スカート短かすぎるよね」 前より随分背が伸びていた。 級友「いや全然、いいって!」 潤「すーすーして恥ずかしい」 級友「ちょー可愛いから! 待って写真撮るから。お宝だよ」 潤「みんなが来ちゃう」 級友「いいよずっとその姿でいて。それで遊びに行こう」 潤は、過去を受け入れたい、と思う。
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