ノオト

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ノオト

そぼ降る雨の中、其の光景をぼんやりと見ていた。 狭い交差点にテールランプが集まって、さながらお祭りの様な華やかさだった。 ただ其の喧騒は、祭と呼ぶにはあまりにも慌ただしく 泣き叫ぶ誰かの声が、いつまでも私の名を呼んでいた。 其の日から私は、 世界の完全なる観察者になった。
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