第19章

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「とりあえず、仲直りはできたみたいだね」 「うん。でも、急に優しくなり過ぎて、変な感じだよ」 「美月は心配性だねえ。冷たくされても、優しくされても不安で仕方ない。それってやっぱり、チーフと一緒にいても気が休まらないってことなんじゃない?」  芽衣子は何が言いたいのだろう。所々に、チクチクとトゲが刺さっているみたいだ。 「チーフとなにかあったの?」と芽衣子に訊ねてみたけれど、曖昧にはぐらかされただけだった。 「それより宏人がね、何か欲しいものはないかって。お見舞いに何を持っていったらいいだろうって悩んでたよ」 「何もいらないわよ」 「そんなこと言わないで、この際だから、うんと高価なものねだっちゃえばいいじゃん。アクセサリーとか、洋服とか」 「それってお見舞いじゃないでしょ」 「そう? 私なら買ってもらっちゃうけどなあ」  芽衣子はずるい笑みを浮かべる。 「宏人に買ってもらう理由もないでしょ。恋人同士じゃあるまいし」 「でも、友達以上であることは確かでしょ」 「そんなことないよ。宏人とは、ただの友達だよ」 「美月が気付いていないだけかもよ。もしかしたらチーフよりも、宏人のことが好きだったりしてね」 「馬鹿なこと言わないでよ」 「覚えてないの?」 「何を?」
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