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――――
一昨日22時――
私は大きく深呼吸して自分を落ち着かせてから自動ドアの向こう側へと足を進める。
フロントは明るさを保っているけれども、広いロビーは照明を絞ってあって、
外の喧騒とは対照的に静まり返っていた。
右へ左へとせわしなく目を移して、私は目的の人物を探す。
「時間ちょうどだな」
少し高い位置の背後から掛けられた声に、
緊張を悟られないようにしながら、ゆっくりと振り向いた。
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