第4話

5/22
2810人が本棚に入れています
本棚に追加
/281ページ
「うわー! また素材落とさねー! 上原は?」 「拾った」 「マジで!?」 ほらな、上原の方がレア素材拾ってんじゃん? 「上原ばっかりズルイー」 妬みを込めて上原の肩をバシバシ叩くが、上原は「そう言われても……」なんて困っている。 「こればっかりは運しかないだろ」 「もう1周! もう1周行こう!」 「風呂が冷める」 上原が自分で後回しにしていたクセに、溜めていたお湯が冷めるのが余程気になるらしい。 「もう終わり」と上原がゲーム機の電源を切ってしまった。 「何だよー、今日もゲットならずかよー」 拗ねたように呟きながらオレもセーブして電源を切っていると、上原が「解った解った」とオレの頭を撫でてくる。 「俺が拾った素材で装備作る。それをお前にやるから」 「ホント!?」 弱い装備じゃ、ボスの一撃でかなりの体力をもっていかれる。 こんなんじゃハンターランクも上がらないし、レアボスまで辿り着けない。 「上原君、優しー! 大好き!」 感謝の気持ちを伝えたくて上原の身体にギュッと抱きつくと、上原の身体がビクッと大きく揺れた。 え、そこまで嫌がらなくてもよくね? .
/281ページ

最初のコメントを投稿しよう!