第1章

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 草むらの上に倒れていた俺は、顔をしかめながら目を開けた。  辺りは真っ暗で、静まり返っている。  頭を手で押さえ、ゆっくりと上半身を起こした。 「どこだ、ここ……」  辺りには何もなく、ただ風の吹く音だけが聞こえている。 「大丈夫ですか?」  突然の声に、体がビクッと反応した。  視線の先には、黒のジャージ姿の30代と思われる男性が立っていた。  口元に大きなほくろのあるその男性は、ただ俺を見下ろしている。 「誰ですか?」 「私は久保と言います」  久保と名乗ったその男性は、俺に近づき言った。 「私が付き添いますから、自首しましょう。罪はきちんと償った方がいい」 「自首? 罪? 一体何の話ですか」 「……もしかしてあなた、何も覚えてないんですか?」  男性は怪訝そうに眉をひそめた後、「それ……」と、ある物を指さした。
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