第1章

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「卒業おめでとう」 「ありがとう、先生」 泣きながら笑う幼なじみの姿に、胸の奥がチクリと痛む。 「こんなときに先生はやめろよ」 「ごめん。君のその格好を見ていたらつい、ね」 何気ない指摘が胸に刺さる。 「あのさ、俺--」 「待って!! お願い、その先は言わないで」 「え・・・・・・」 「これ以上心残りしたくないの」 「・・・・・・分かった」 本当は頷きたくない。 けどそうしないと、彼女を苦しめてしまう。 「私の我が侭を叶えてくれて、本当にありがとう」 「どう、いたしまして・・・・・・」 駄目だ。 せめて笑っていようと思ったのに、こらえきれない。 「それじゃあ・・・・・・バイバイ」 彼女は最後まで無理に笑いながら別れを告げ-- 「私も・・・・・・だったよ」 小さな願いを叶えた彼女は、想いを残して旅立った。 透き通った青空に・・・・・・・・・・・・
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