あの子が産まれます

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「いいえ、違いは母親にあるんです。マルクさんにとって娘と嫁、どちらが可愛いと思います?」 「あー、そりゃ娘だろうな。ん?そういう事か。確かに、娘と嫁が産んだ孫なら娘の産んだ孫の方が━━━」 そこまで言って気づいた。 「分かりました?お義父さん。」 ふふっと笑う、ガネーシャの嫁。 という事は、だ。 「タナトスよりも……娘が産んだ孫の方が可愛いってのか……?」 「孫娘なら尚更だと思いますよ?」 ナイト家の、フラムの可愛がり方を思い浮かべる。 良く考えてみれば、フラムが一番なのはマルクだけではなかった。 僅差ではあるが、ほとんどの男性陣がそうだった。 庇護欲が働いているのだろうか。 男の孫よりも女の孫……か。 タナトスがあれだけ可愛いなら、孫娘はもっと可愛いという事か……? 「ナンシー。女の孫、産まないか?」 ガクッと崩れるナンシー。 そう来るとは思わなかった。 「お義父さん!そこは娘を作る方向に行かないと!娘を作って、その娘さんに孫を産んでもらって下さいよ!」 「あ、そうか、」 ハハッと笑うシヴァ。 男の孫より女の孫。 その前に、義理の娘より本当の娘の方が可愛いという話だった。
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