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「…どうしようか。」
私は思い出したことに悩む。
この街に入る時の
あの、嫌な視線だ。
再びこの街から出れば
多分、尾いてくるだろう。
ーーーーーーーそう、あれは人間の視線だ。
それも、
単純に且つ、分かりやすい動機も
私にも、ケシィにも予想できた。
《ね、楼徒。
彼に一緒に行動してもらおウ?》
不安があるのだろう。
すがるような口調でケシィは提案する。
ーーーー助かりはする。正直。
だが、巻き込むのか?
他人を?さっき知り合った人間を?
私は悩んだ。
町を出て、彼と彼のナビゲーターを
私は守れる、とは言えないのだ。
狩り場と呼ばれた草原で
私は自分が助かるかどうかで
頭は手一杯だったし、
正直、誰かを助けられるなーんて
甘さもない。
(人間、自分が一番大事だろうから)
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