3.転校~気に入らないヤツ~

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アイツの隣には誰かが居て、 その男に引きづられるように 屋上へと続く階段を連れられていく。 そんなアイツを見上げながら、 溜息を吐き出して、 そのまま理事長室を訪ねる。 「失礼します。  今日より、転入します朱鷺宮です」 ドアをノックして声をかけると、 試験の時にも姿を見せた理事長の二階堂が姿を見せる。 「どうぞ、朱鷺宮涼夜さん。  お待ちしていました」 俺の名前が宮籍にあることを知る二階堂。 「先日、司宮(つかさのみや)様より  お電話を頂いておりました」 「竜也(たつや)兄さんから?」 「はいっ。  司宮さまとは何どかお顔をあわせたことがあります。  当校にも何度も足をお運び頂いていますから」 「三年間、宜しくお願いします」 「朱鷺宮様の学院生活が一生に残るものとなりますように」 二階堂はそう言うと俺を別室へと案内した。 まだ徳力は顔を出していないか。 暫くソファーに座って待っていると、 何やら外が騒がしくなってくる。 そして先ほどの二階堂理事長の声が響く。 ガチャリっと音を立てて扉が開いた時、 徳力神威がようやく姿を見せた。 徳力を俺をチラっと見ると興味すら失せたように また付き添いと二階堂を見つめる。 「こちらが同じく今日から当学院に転入される朱鷺宮涼夜(ときのみや すずや)君。  朱鷺宮君とも同じクラスになります。  当学院は中等部・高等部の一貫教育。  お二人は外部転入生としての紹介として先に教室で自己紹介を終えた後、  共に入学式へと参列していただきます。    さてっ、付き添い頂いた保護者の方はここまで。  徳力君、朱鷺宮君ともに担任の先生が迎えに来るまで  隣の部屋で待っててください」 そうやって俺を徳力に紹介する二階堂。 促されるままに次の扉を開けて担任が来るのを待つ。 その空間に会話は一つもない。 重い空気だけが張りつめている。 暫くすると戸村と名乗る年輩の男性が俺たちの前に姿を見せる。
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