プロローグ

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「……美穂(みほ)」  彼が私の名前を呼ぶと、優しくキスをする。 「……先生。好き」 「……俺も」  そしてこの髪を撫でる温もりに、心地よくなり私はそっと目を閉じる。  “__俺も”  その言葉が偽りでも、構わない。  その顔を。  その声を。  近くで感じることができるのなら、私はもう何もいらないから。
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