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通称、フェニックス通り。
堺市街を分断するように伸びるその大通りは、その名の通り中央分離帯に沢山のフェニックスの木が植樹されている。
いつもは愛車の原付で登校するこの道を、兼ねてからの予報通りとなった雪のせいで、この日私は駅へ向かって歩く羽目になってしまった。
南国を思わせるフェニックスの木に積雪している光景は、どこかチグハグで圧巻だったが、この時の私はそれを楽しむ心の余裕は持ち合わせていなかった。
(ホンマやったら春休みやのに……!!)
慣れない雪に足を取られそうになる度に、内心でチッと舌打ちする。
大学の春休みは長い。
2月上旬から4月上旬まで約2ヶ月春休みのうち、ゼミのオリエンテーションの日とこんな大雪の日が重なってしまうなんて、本当に運が悪いとしか言いようがない。
いつもはこのフェニックス通りもこの時間はスゴく混雑してるのだけど。
普段めったに雪なんか積もらないせいか、道はいつもより空いているように感じた。
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