ニートの日

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去年買い換えたばかりのパソコンの前に座り、やり込んだオンラインゲームを起動させる。 ……あれ? ん? なんだ? サービ……!! 「う、嘘だろ!! サービス終了!?」 何でかは分からないが、そこにはサービス終了の文字が浮かんでいる。横にゲームのNPC(ノンプレイキャラクター)の顔が一緒に浮かんでいるのが哀愁を漂わせていた。 もしかしたら不祥事か何かのせいかもしれない。テレビを見ていない俺には知るよしもない、知りたくもない。 それにしても、俺がなけなしの大枚をはたいて、生活費を削りに削ってガチャ買って当てた極レアの武器は!? 防具は!? 「はっ!! 俺の可愛いキャラはあああああぁぁぁぁ!?」 思わず大声を上げてしまった。隣の部屋と上と下から壁ドンされたが、今はそれどころではない。 現実は可哀想な顔だから、せめてノンリアルだけはとイケメンにするため顔の設定に1週間もかけて作った俺の可愛い分身が!! むしろ俺が消えた!! 「俺が消えたあああああ!!」 「うるせぇ! ぶっ殺すぞ!」 とうとう隣から怒鳴り声が聞こえてきた。 涙が止めどなく流れてきた。もうだめだ。 俺の人生終了。 自棄になって飯でも食おうと、財布を持った。 明日から何して生きようか……。 何か、全部が憎い。 オンラインならまともにコミュニケーションとれるのに、現実のハードルの高さ。 はぁ、明日、初めてのハロワにでも行って現実世界で仲間でも見つけようかな。 外へ出ようとしたところで、脱ぎっぱなしの服に足を取られて派手に転げる。 「ぐげっ!!」 あ、これダメなやつかも……。 それは多分、テーブルの角だったのだろう。 激しくぶつけ、生暖かい何かが俺の頭を濡らしながら意識が薄れていく。 この……生暖かい物が……出しっぱなしの……醤油だったら……いいのに……な。
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