第7章

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~セルアside 「今のって…」 「ああ。エアリアルブラスト…だな。」 コーキが突然ボードで飛び上がったと思ったらそれを追うように発動した魔法に呆気に取られている内にコーキはほとんど姿が見えない位の高さまであっという間に飛んでいってしまった。 「レオン見える?」 目に魔力を流して強化してみたがそれでもハッキリと視認できずレオンに聞いてみる。 「何かと戦っているみたいだが…ハッキリとは分からないな。」 「だよね…あんなところで戦えるって言うのもすごいなぁコーキ。」 「確かにな。」 「でも一体コーキは「あっはっはっはっはっはっ!」…」 突然会場に響き渡った笑い声に言葉を遮られて不思議に思いながらそちらを向いてみると何かどす黒い魔力のようなものを纏っている生徒がそこにいた。 「ひっ!」 メイリンとリルも気になってそちらを向いてリルはそれを見て小さく悲鳴じみた声を上げていた。 「レオン、あれって…」 その生徒の纏っている魔力のように見えるそれは僅かに蠢いていてとても気味が悪く、とりあえずレオンに聞いてみる。 「あれは…おそらく邪力と言われるものだろう。」 「邪力?」 「ああ。魔族や悪魔が持つと言われる力だ。あいつは恐らく魔人か悪魔を喚び出して契約したんだろうな…」 「それって…」 「ああ。普通は出来ない。だが何か怨みや妬み、所謂負の感情を極限まで募らせている人間が契約を結んだという事案は何回か聞いたことがある。」 「怨みや妬み「これで貴女の無念を晴らすことが出来ますよ!王女様っ!」 今までただ笑っていたその生徒が高らかに叫ぶとその生徒は一瞬俺達を見て魔法陣を出て俺達の方に歩いてきた。 その生徒が歩いた後は腐敗したようにブスブスと音を立てて変色していく。 俺とレオンはそれを見てリルとメイリンを庇うように一歩前に出た。 「おい、庶民。質問されることをありがたく思え、あの編入生はまだ戻ってきていないのか?」 「ああ。まだ戻ってきていない。」 「そうか。なら丁度良い。まずはお前たちで遊んでやろう。」 「何をぐっ!」 「レオン!」 「レオン君!」 一瞬何が起きたのかわからない内にレオンが吹き飛ばされてしまった。
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