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プロレスラー三沢光晴選手が亡くなった。
全国ニュースでも放送されたので、
ファンでなくても知っている人はいるかと思う。
私はプロレスファンで、週刊プロレスがを毎週購読している。
これはさっそく週プロ(週刊プロレス)を買って読まねばと、
翌週の発売当日、
私は仕事の昼休み時間、車で近所の本屋にかけこんだ。
そして週プロの記事で感傷にひたりながら
昼メシを噛みしめよう・・・そう、思った。
が、いつも4、5冊おいている週プロがない。
店員さんに尋ねると、完売したという。
いついれるのか? と尋ねると。
出版社に在庫があるか確認しないとわからない、という。
待っていられぬ、と別の本屋に行ってみた。
が、週プロはない。
すぐ別の本屋で探す、が、ない。
昼飯も食わずに、私は街中から郊外の大型書店へ車をとばす。
4店目のその本屋は、週プロが常時10冊近くある。
ところがその大型書店の雑誌コーナーに、
週プロは、なかった。
いや、その棚の前にいた客が、最後の一冊を立ち読みしていたのだった。
その立ち読み客・・・買ってはいないのだから客ではないのだが、
寝起き頭の、ジャージ姿で、
当然、立ち読みで済ますのだから、買うわけないでしょ! と
いわんばかりの風貌で、
いやしくも、
テレビで見たけどなんで死んじゃったのかなー的興味本位で、
鼻に指つっこんで、
その指でページめくってますみたいな、
いちおー俺、客ですからみたいな
そいつを恨んだ。
「ザコ、私は客だ、その雑誌、よこしたまえ」
と、いいたかったが、
「俺が先にみてんだから!」という
なんともあたりまえに言われたらどうしよう、という
臆病な私がいた。
私はそいつの背後からじっと誌面をのぞきこんでいた。
そいつは、こともあろうに、指にツバをつけて、
新刊の週プロが、売り物であることすら忘れて没頭しているのだ。
その私のいらだち・・・くやしさ・・・
15分後、そいつが読み終えた週プロは
病院の待合室にある雑誌以上によれよれのくたくたになっていた。
買いたいのに買えなかったくやしさったら、今でも腹が立つなぁ・・・
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