それぞれの時計が動く時 1-1

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---------5年前の5月某日。 今日は、あたし達は結婚式を挙げる。 人生で一番 花嫁のあたし斎藤由美が華やかに輝く日になるはずだったのに。 実際は、ワイパーが全く役にも立たないくらいの 今日のこの天気のような土砂降りな心情。 どなたも、この話を聞けば あたしが泣きたくなるのも頷けると思う。 人生で一番光り輝く日。 この日の朝、あたしは旦那になる予定のこの男 佐藤真治の二股が発覚して、 憂鬱な気分で真治が運転する車に乗り 式場でもあるホテルに向かっている所だった。 何故、真治の二股が発覚したのかと言うと 今日が挙式だと言う事が、相手にバレて 新婦であるあたしのスマホに 真治と裸でベッドで寝そべって笑っている写真が送られて来たから。 すぐさま、ベッドのわたしの隣で寝ていた真治を起こし 真相を問い詰めれば すぐに観念して総ざらい白状した。 もちろんあたしは 今日の挙式はキャンセルしようと持ち掛けたけど 真治は、キャンセル料もかかるし 取り敢えず式と披露宴だけは済ませようと あたしを無理やり車に押し込んだ。
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