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「もうダメね。別れましょう。」
平凡な恋に平凡な男。誰にでも優しく馬鹿で犬のようなアクリに私は…つまらなくてイライラしていた。
単調な幸せ。空をいくら眺めてもつまらない青空はなにも与えてはくれない。
その点、ガルルとの恋はスリリングで私の心も身体も満たしてくれていた。
「えっ?やり直したい?馬鹿ね!アクリにはもう、うんざりしてるのよ。悪いけど私には他に恋人もいるし、さよなら。」
不倫していた事実を叩きつけてやったわ。なんてだらしない顔のアクリ。愉快だけどイライラした。
私はアクリと別れてガルルとの付き合いに本腰を入れると
「ジェミうざい。悪いけど俺は遊びなんだよ?分かってるだろ。お前なんかと結婚しないし、誰の子だよ?最低な女だな!」
お腹にガルルの子を宿した私は彼に結婚を迫ると散々罵られたあげく捨てられた。
失意のどん底にある私の耳には
「ガルル?あの最低なやつ?散々貢いで妊娠して結婚を迫って捨てられた馬鹿な女がいるらしいよ。自慢気に自分で言いふらしているみたい。ジェミは彼がいるんでしょ?なら安心ね。あんな最低なやつに引っ掛かったらだめよ。」
相談しようと呼び出した親友にガルルとの事実は話してはいない。私は気づかなかった…ガルルには複数の女性関係があり何人も私のように捨てられた女性がいて一番ショックだったのは
「ガルルって結婚してるのよ。女が貢いだ金を奥さんにあげて凄い豪邸に住んでるんだって。奥さんの職業は詐欺師。本当に夫婦揃って最悪。でも、らぶらぶらしいよ。」
私の中がすべて流れていった。お金も愛もなく残されたのはお腹の中の悪魔だけであった。
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