第1章

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「緊張してるか?」 「まぁね」 「……それが当たり前だよ。よし、終わったら何かご褒美をやろう」 「え、ほんとに?」 「ああ。なんでもいいぞ?」 「じゃあ、ハンバーガーとポテトで」 「おまえなぁ」 「いいでしょ? 好きなんだから」  たとえば、何かを好きになること。  それをまた見つけることができたのも、この人のおかげ。 「しょうがないな。……よし、時間だ。行ってこい!」 「うん。行ってきます」  私がなくして、探すことも諦めてしまった大切なもの。  でも、そんな大切なものを、私は知らないわけでも、ほしくなかったわけでもない。本当に小さなころは、私も確かに持っていたから。  だから、この人がそれを見つけてくれた。  そして、これからは一緒に探してくれる。  きっとこれから、なくしてしまった大切なものを、私はたくさん見つけるのだ。  たとえば、信じること  たとえば、頑張ること  たとえば、夢を見ること  今日の一歩が、未来につながってる。  次は、何を見つけられるのかな?
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